BUC Walk|山の歩き方教室(基本編)

頑張る歩きから、
ラクで安定した歩きへ。

登りで力む。下りで踏ん張る。そんな歩き方を、実際の登山道で見直してみませんか。少人数で一人ひとりの動きを確認し、自分の身体で違いを確かめる講習です。

山の歩き方教室|森の登山道で、一人ひとりの動きを確かめる。
山の歩き方教室|森の登山道で、一人ひとりの動きを確かめる。

こんな方におすすめです

  • 歩き方を見直して、より安定して登山を楽しみたい方
  • 登りで力んだり、下りで踏ん張ったりする動きが気になる方
  • 自己流の歩き方を、ガイドと一緒に確かめたい方
  • 縦走などの目標に向けて、動きの土台を整えたい方

ひとりで歩く方も、仲間やガイドと登る方も。普段の登山や目標の山に向けて、自分の動きを見直したい方のための講習です。

BUC Walkで学ぶこと

BUC Walk(バランスアップクリニック Walk)は、歩く・登る・下るをひとつの原理で捉え、自然な体の使い方で安定して動き続ける力を身につけるプログラムです。

山で使える“歩き方”を身につける

この講習では、不整地を安定して歩くための身体の使い方を学びます。
テーマは「股関節主動」と「踵荷重」。

難しく聞こえるかもしれませんが、やることはシンプルです。
体の軸を整え、重心を適切に扱うことで、力まなくても自然に前へ進める身体をつくります。

BUC Walkでは、歩く・登る・下るを分けず、ひとつの原理で捉えます。
状況が変わっても崩れずに動き続けることを目指します。

目指すのは、力でねじ伏せる歩きではなく、ラクに歩けて、しかも崩れない歩き。
登りでも下りでも安定する身体をつくります。

単なる知識ではなく、実際に山で使える動作として身につけることを大切にしています。

少人数だからこそ実現できる“変化”

本講習は少人数制で実施します。
一人ひとりの動きを確認しながら個別にフィードバックを行うため、 「わかったつもり」で終わらず、実際の変化までつなげていきます。

歩行の哲学を、もう少し詳しく
不整地歩行術とは? 力に頼らず、軸で歩くための身体づくり

日常の歩行では、太ももと膝を使って脚を前に出す「膝主導」の動きが中心になりがちです。
この動きはつま先側に重心が偏りやすく、登山では疲労の蓄積や関節への負担につながります。

BUC Walk編では、不整地に対応するための身体の使い方を整理し、
「股関節主動」と「踵荷重」を軸に歩行を組み立て直します。

◉ 腸腰筋・大臀筋を活かした股関節主導の動作
◉ 体の真下に着地し、かかとに重心をのせる歩行
◉ 軸を保ちながら全身を連動させる動き

不整地では、足の置き方よりも「どう身体を支えるか」が重要です。
軸を立て、重心を真下に扱うことで、無理なく前へ進める歩きを育てます。

講習では、自分の重心のクセや姿勢の崩れを確認しながら、
山で繰り返し使える歩行動作へと落とし込んでいきます。
初心者から経験者まで、それぞれの段階で変化を実感できる内容です。

フラットフッティングは間違いではない。でも大切なのは“構造”です。

登山界では、「つま先でもかかとでもない中間的な着地」として
フラットフッティングが推奨されることがあります。
足裏全体を使うという考え方は、滑りにくさという点で合理的な面もあります。

ただし――
足裏の“角度”だけを意識しても、歩きは変わりません。
大切なのは、どこに重心を通し、どう身体を支えているかです。

⚠️ 見た目が同じでも、中身は大きく違う

足を体の前に出して着地し、太ももと膝で支えている場合、
たとえ足裏がフラットでも、身体は前に流れ、疲労が蓄積します。
これは接地の問題ではなく、重心の扱い方の問題です。

✅ BUC Walkで扱うのは「重心の位置」と「支え方」

BUC Walk編で重視しているのは、
「体の真下に着地すること」と「踵側に軸を通すこと」。

それにより、太もも主導の歩行から、
股関節主動で骨格に乗る歩行へと切り替わります。
形を整えるのではなく、構造を整える。
それが不整地歩行術の考え方です。

🟰 比較:形の意識と構造の意識

一般的なフラットフッティング BUC Walk
着地の位置 体のやや前方 体の真下
重心の通り道 つま先〜足裏全体 踵側〜土踏まず後方
主導部位 太もも・膝 股関節・体幹
結果 疲れやすい/不安定になりやすい 持久性が高まる/安定する

見た目が同じでも、重心の扱い方が違えば結果は変わります。
歩きを変える鍵は、「足裏」ではなく「軸と重心」にあります。

「かかと荷重」と「かかと着地」は、まったく別の動きです

「かかとを使って歩く」と聞くと、
「かかとから着地するのは危ないのでは?」と感じる方もいます。
登山では、かかと着地は滑りやすいと言われることもあります。

しかし、BUC Walkで扱う「かかと荷重」は、
一般的に言われる「かかと着地」とはまったく別の動きです。

⚠️ かかと着地とは

体より前に足を出し、かかとの後ろ側から着く歩き方。
この場合、重心は遅れ、膝や太ももに負担がかかりやすくなります。
下りでは特に不安定になりやすい動きです。

✅ BUC Walkで扱う「かかと荷重」

足を体の真下に着き、
かかとの上に軸を通して立つことを意味します。

大切なのは「どこから着地するか」ではなく、
どこに重心を通して立っているかです。

股関節主動で立ち上がり、
骨格で支える構造をつくることで、
無理なく安定した歩きが生まれます。

🔍 違いの整理

かかと着地 かかと荷重(BUC Walk)
足の位置 体より前 体の真下
重心 足より後方に遅れる かかとの上に通る
支え方 膝・太ももに依存 股関節・骨格で支える
結果 不安定/滑りやすい 安定/滑りにくい

🏔️ 「かかと=悪」ではない。大事なのは“使い方”

「かかとから着地するのは危険」と言われるのは、
体の前に足を突き出して着く歩き方のことを指しています。
問題は“かかと”ではなく、重心の位置と支え方です。

体の真下に足を置き、かかとの上に軸を通して立つ。
それがBUC Walkで扱う「かかと荷重」の考え方です。

力で踏ん張るのではなく、
骨格に乗って体重を地面に伝える。
その構造が整うことで、無理なく安定した歩行が生まれます。

お客様の声

「長年のクセに気づかされました」(50代女性・登山歴10年)

登山歴は長いのですが、毎回下山で膝が痛くなり悩んでいました。
この講習で「無意識に足を前に出していた」「つま先で踏ん張っていた」と気づけたことが一番の収穫です。
下りが怖くなくなり、今では登山がもっと楽しめるようになりました。

「こんなにラクに歩けるなんて!」(40代男性・体力に自信なし)

登りで息が上がってしまうのが悩みでしたが、フォームを少し変えただけで楽に歩けるようになりました。
疲れ方も変わり、自分でも驚いています。

「まさに“目からウロコ”でした」(60代女性・シニア登山者)

力で頑張らなくていいことに気づき、身体の使い方が大きく変わりました。
今では下りも安心して歩けています。

山で試して、気になったら実践編へ

講習でつかんだことを、普段の登山で試してみてください。足場や傾斜が変わるとうまくできない、長い下りでいつもの動きに戻ってしまう。そんな場面をガイドと確認したいときに、実践編を利用できます。

W+|歩行中心の実践編

歩行技術を磨く実践編 W+

歩行を中心とした山道で、自分の動きを見直す実践講習です。ザレ場や段差、急登、長い下りなど、企画ごとの地形で学んだ動きを試します。

実践編 W+・蕨山|木の根や段差のある登山道で歩きを試す。
実践編 W+・蕨山|木の根や段差のある登山道で歩きを試す。

参加の目安

BUC Walkは、特別な体力や経験を必要とする講習ではありません。
必要なのは、「今の歩き方を見直してみたい」という気持ちだけです。

各回の行程・装備は募集ページをご確認ください。

担当ガイド

矢野 政人
矢野 政人
気象予報士
日本山岳ガイド協会
 登山ガイドステージⅢ
日本雪崩ネットワーク
 雪崩業務従事者レベル1

よくあるご質問

  • WalkとRockの違いは何ですか?

    Walkは山の歩き方、Rockは一般登山道の岩場・鎖場・段差での身のこなしを学ぶ基本編です。

    BUCでは、歩き方と岩場の技術を別々のものとしてではなく、重心とバランスを整えて山の中で動き続けるための一連の技術として学びます。気になる場面や学びたい内容からお選びください。

  • ガイド登山やグループ登山が中心でも役立ちますか?

    登山のスタイルを問わず、自分の身体の使い方を学ぶ講習です。ひとりで歩く方も、仲間やガイドと登る方も、普段の登山や目標の山で生かすために利用できます。

  • 基本編を受講したあとは、何をすればよいですか?

    まずは学んだことを普段の登山で試してみてください。足場や傾斜が変わる場面でうまくできない、自分では動きが合っているか分からないなど、気になる点をガイドと確かめたいときに実践編を利用できます。

    必ず次の講習へ進むという利用方法ではありません。目的に合わせて、必要なときに学び直すこともできます。

  • 実践編に繰り返し参加する意味はありますか?

    山では、足場や傾斜、行動時間などの条件が変わります。異なる地形で学んだ動きを試したり、前回の講習後に練習してきた動きを確認したりするために、繰り返し利用できます。

    山名だけでなく、各企画の地形や講習テーマにも目を向けてお選びください。

自分の歩きを、確かめてみませんか