気象予報士」カテゴリーアーカイブ

私の受験履歴と受験結果

 

 気象予報士試験 一般 専門 実技
第42回 (2014年8月) ×
第43回 (2015年1月) 免除 免除

第42回での一般と専門の合格はギリギリのラインでの通過でした。次の試験に向けて実技対策だけに専念すればよくなり、実技用試験対策を深く考える余裕が持てました。

また、大まじめに一発合格目指して第42回に臨みましたが、振り返ってみると、試験内容への理解を深められないまま受験当日を迎えてしまい、当然の結果となりました。特に実技は、設問の求めている回答趣旨を言い当てられるようになるまで相当のトレーニングが必要でした。単に気象現象を理解、解析できる技術があるだけでは気象予報士試験対策としては不十分で、「回答趣旨を的確に把握する」ことと「趣旨に沿って説明する」というあと2つの技術を身につける必要がありました。

定規の選び方

私は100均で2本購入しました。長さはどちらも15cmくらいの短めですが、過去問含めて回答には支障ありませんでした。それと、胸ポケットに挿しておくとき、20cmだとちょい長めで邪魔ですが、15cmだとちょうどいい長さ。

購入した2本は、1本は透明なプラスチック製、もう1本は竹製(小学生の時30cmの竹定規をランドセルに挿していた人も多いはず、あれのチビバージョン)。透明と不透明、どっちが使いやすいかなぁと比較したくて2本購入しました。最後は好みの問題でしょうが、私は透明なほうに落ち着きました。理由としては、定規の下の図も見て位置決めすることが多く、不透明な竹定規は合いませんでした。100均なら2本購入しても200円、ご自身でも比較検討してみてください。

 

試験科目と対応教材|学科一般

学科一般の教科書は「一般気象学」に尽きます。これをしっかりマスターすれば(3回くらい読むと)大丈夫でしょう。

注意点は、一般気象学をいきなり読んで理解できるかということです。本の題名に「一般」とありますがこれは「一般人向けの」という意味ではなさそうです。物理、化学がわりと得意で大学入試もクリアしたぜという理系の人なら大丈夫だと思いますが、そうでない人は最初の何章か読んでみて、必要に応じて別の本で知識を補強してから一般気象学に戻ってくるのがいいかもしれません。

補強の軸は2つあると思います。1つはいわゆる理系科目の物理、化学、数学。もう1つは天気予報でキャスターが小ネタとして話す程度の、気象の一般常識。

理系科目の前提知識は

  • 物理|エネルギー保存則、運動方程式
  • 化学|気体の状態方程式(ボイル・シャルルの法則)
  • 数学|n乗、ルート、logの計算、微分/積分の意味

あたりでしょうか。このへんが自信ない人には「数式大嫌いの人に贈る! 真壁京子の気象予報士試験数式攻略合格ノート」が手っ取り早くオススメです。

気象の一般常識は、その人がこれまで気象にどれだけ興味を持って生きてきたかの積み重ねであり、多いに越したことはないですが、とりあえず一般気象学を読み進めてみましょう。そして私のように「自分は気象の一般常識がかなり不足しているのではないか」と漠然とした危機感を抱くようであれば思い切って「天気のひみつ」を2日くらいで一気に読んでみるのはどうでしょう。小学生向けとはいえ、ひと通りのことは書かれており、一般常識のベースラインはマスタしたという安心は得られます。

トレーシングペーパーから解答用紙への素早い転記

実技試験では問題用紙、回答用紙以外にトレーシングペーパーが配布されます。1回目に受験したときは「トレーシングペーパーを使うと何が便利になるの?」って思ってました。当時は何もわかっていませんでしたね。2回目の試験対策では、複数天気図間の擾乱、前線あるいは等温線の位置を手早く比較する「トレーシングペーパー活用術」を身につけました。(具体的なトレーシングペーパー活用術は別の機会に。)

さて、例えば低気圧の24時間ごとの中心位置をトレーシングペーパーに写し取ったとして、設問は「回答用紙の図中に中心位置を×で示せ」のようになっています。さて、トレーシングペーパー上の中心位置を回答用紙にどうやって転記しましょうか?

ディバイダーで突き刺せ!

回答用紙の上にトレーシングペーパーを置き、転記したい×印の中心をディバイダー(コンパスでも可)の針で突き刺して下の回答用紙に小さい穴を開けます。その穴が交点になるよう×印を書けば転記完了! 転記の数が多くなるほど御利益も大きくなりますね。

資料の天気図と回答用紙の図は大きさ・縮尺が等しいのでトレーシングペーパーの位置合わせを間違えなければ位置ずれは起きません。この練習をするには原寸大の問題用紙、回答用紙が必要になります。気象業務支援センターの過去問「気象予報士試験 問題と正解」は原寸大で作られており、今回紹介した「素早い転記の技」を練習するのにうってつけです。

「心の目」で日本を探す

天気図上の日本の位置を指差せますか?

地上天気図なら簡単ですね。でも「500hPa高度・渦度」だとどうでしょう? 負渦度の網掛けが陸地境界線を上書いてしまい日本の形が見つからないってことがあります。私は1回目の試験で陸地境界線が見えなくて困った経験をしました。

さて対策。陸地境界線が「心の目」で見えるようになりましょう。試験に出てくる天気図では2通りしかないので意外と簡単です。

まず1つ目。東経140度線が鉛直に走り、日本がほぼ中心に位置する。日本付近に領域が絞られた天気図。

そして2つ目。東経100度線が鉛直に走り、日本は右のほうに傾いて位置する。アジアの範囲を広く収めた天気図。

ただ眺めているだけでなく、マーカーや色鉛筆で境界線を2,3度なぞってみましょう。「心の目」を鍛える効果的なトレーニングです。そして、日本だけでなく、中国、韓国、ロシア極東などの陸地、台湾、沖縄、樺太、アリューシャン列島などの島などの境界線も「心の目」で見えるようになってください。

それと、緯度経度線から探す場合、
(北緯40度、東経140度)の交会点 = 秋田
が便利です。

余談ですが、日本標準時の東経135度が明石市を通ることを小学校で習いましたが、天気図の緯度経度は10度おきで135度の線はなく、残念ながらこの知識は使えません。

 

資料ページを切り取るべきか

実技試験が開始となると、問題用紙の後ろの資料ページをミシン目に沿って切り離す音が部屋中に響き渡ります。話には聞いていても、あの迫力には圧倒されてしまいます。

ところで、資料ページって切り離す必要あるんでしょうか? 速い人でも30秒、遅い人だと1分くらいかかる作業です。切り離すことは義務ではありません。この作業時間を回答時間に回す戦略もあると思います。

切り離さないと、問題文と資料を並べて見ることができません。ページを行ったり来たり。それはそれで切り離した場合に比べてロスタイムが多くなるでしょう。

ただ、正確に計測したわけではありませんが、トータルでみると大差ないように思います。重要なのは、過去問練習の段階から切り離し前提でやる/冊子のまま前提でやる、試験当日に合わせてやることです。切り離し前提なら、問題文をコピーするか本当に切り離してしまい、資料と並べて見られるようにして回答練習します。極力試験当日に合わせて練習しておくことが重要です。私は切り離し前提でいきました。

また、切り離した資料の順番を固定にするか、問で参照するページだけ都度抜き出して使うか、この2つのどちらにするかも悩みポイントですが、私の経験では順番固定のほうがいいと思います。初回受験では都度抜き出しでやりましたが、回答が進むにつれて資料のページ順が入り乱れます。ページ順が整っている状態から必要なページを抜き出すのは簡単ですが、ページ順が入り乱れていると意外なほど多くの時間がかかります。試すのは簡単なので実際にやってみて実感するのがいいと思います。順番固定にすると(=切り離したらクリップで固定してページ順を崩さず使う)、離れたページの資料を複数参照するときのページめくりは多少手間ですが、資料のページ構成が頭に入ってしまえば迷わず探せるようになります。このほうがトータルで時間のムダが少ないはずです。

なお、ページの離れた2つの資料を比べる(重ね合わせて検討する)ことを要求する問題もあります。しかしたいていは、要点をトレーシングペーパーに写し取って他方の資料と重ねて検討する手順で対応でき、クリップを外して2つの資料を並べる必要はめったにないと思います。

胸ポケットを筆箱にする

たいていの試験ではシャーペンと消しゴムで事足りますが、気象予報士試験では

  • 蛍光ペン、色鉛筆 を 3-4本
  • 定規
  • ディバイダ(コンパス)

なども使用しますので、予備のシャーペンや消しゴムも合わせると、結構な本数の文具を机の上に置くことになります。筆箱は机の上に置けず、バラバラな状態です。過去問練習を実践同様の環境に合わせてやっていましたが、文具があっちこっちに散乱してしまいます。定位置を決めようと努力しましたが、回答するのに精一杯でそこまで気にしてられませんでした。そうするといざ使う前に探すというムダな時間が発生します。ただでさえ回答時間が不足気味なので勿体ないロスタイムです。

そんなときふと思いついたのが、シャツの胸ポケットを筆箱にしてしまうことでした。お医者さんが4色ボールペンやライトを白衣の胸ポケットに何本も挿している、あれです。蛍光ペン、色鉛筆、定規など、胸ポケットに入れておけばそこが文具の定位置、探す時間のムダをなくせます。

なお、私は1月の試験でこの作戦を使ったので問題ありませんでしたが、8月の試験だと胸ポケットのないTシャツやポロシャツで行っちゃってこの作戦が使えなかったとならないよう、受験当日は注意してくださいね。